3年ブログ

2016年8月に始まり、残り1年を切りました。。振り返ったとき、このブログが転機になったと言えるように。そう願っています。

多崎つくると自分を重ねて。感想『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(村上春樹)

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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

わたしの書く書評は、ネタバレを含みません。感想といっても、わたしの感じたことを中心に書きました。

多崎つくるへ。君の個性は、表にとても現れにくいタイプのものだったんだ。

感想『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

6/19から読み始めました。

数日前に読み終え、その後は脈絡のない本を手にとっています。


読みたい本がすでに本棚に積読されていますよ。

次に簡単にあらすじをまとめました。それからわたし個人が感じたことを書いています。

簡単なあらすじ

多崎つくるには、それまで4人の大切な友人がいた。ただし彼が大学生になった頃、どういうわけか彼ら4人から、突如絶縁を伝えられる。それまでとても仲が良かったのに、理由もなしにいきなり...。

それから10数年。彼は駅を作るエンジニアとなった。好きな仕事につけたものの、彼の心にはまだ4人の存在が刺さっている。

あのとき何が起きたのか。調べていくと、そこには人の、誰にも言えないまま過ごしてきた、悩み苦しんだ無限の時間があることを知った。

それにあわせるように、彼の心に刺さったトゲがしだいに溶けていくのだった。

色彩がない

それは、自分が他の人とくらべて、個性がないことを意味する。何もないんだ。つくるは、そんなことをずっと心に抱いて生きています。

高校生時代、彼の仲良し5人組の中では、自分だけが名前に色を持っていませんでした。他の4人には、名前に「赤」「青」「白」「黒」がついていたのです。

色だけなら取り立てて言うこともありません。

色のみならず、多崎つくる以外の4人には、みなそれぞれ個性が備わっていました。元気いっぱいなスポーツマンだったり、場を和ますエンターテイメントだったり。

つくるには、そうした個性がなかったのでした。

 

物語の最後のほうで、つくるはそれを容器にたとえているシーンがあります。友人以上恋人未満の女性に対し、アプローチしたいのにできずにいる場面です。

『これという個性もなければ、鮮やかな色彩もない。こちらから差し出せるものを何ひとつ持ち合わせていない。そのことがずっと昔から僕の抱えていた問題だった。

僕はいつも自分を空っぽの容器みたいに感じてきた。入れ物としてはある程度形をなしているかもしれないけれど、その中には内容と呼べるほどのものはろくすっぽもない』


名前に色がない。たったそれだけなら笑い話で済みますが、つくるの人生にはことごとく、この「色彩を持っていない」という点が彼を何度も苦しませます。

ときどき考えることがありませんか? 「自分だけ何もないんだ」「他の人はすごいのに、自分はなんでこうなんだ」といった具合に。わたしは頻繁にそう思ってしまう人なので、ときにはひどく憂うつになり、ときにはひどく嫉妬深くなったりします。

ゆえに、このように言ったつくるに対して、エリが次のように返したシーンは、わたしにとってはとても印象的でした。彼女は仲良し5人組の1人、「黒」を持った女性です。

『もしそうだとしても、君はとても素敵な、心を惹かれる容器だよ。

自分自身が何であるかなんて、そんなこと本当には誰にもわかりはしない。そう思わない?

それなら君は、どこまでも美しいかたちの入れ物になればいいんだ。誰かが思わず中に何かを入れたくなるような、しっかり好感の持てる容器に』


入れ物になればいい。好感の持てる容器に。

とても新鮮な考え方です。

自分もつくると同じだ

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わたし自身も、「自分はこういう人間です」と胸を張っていえる何かはありません。つくると同じか、あるいは彼以下だと感じています。

彼は駅を作るエンジニアになりました。とても立派です。わたしも情熱を持って仕事がしたいですが、何かに阻まれてそれが叶いません。

「写真がうまいじゃないか」ですって?

そう言ってくれる人が読者にいたのなら嬉しいです。しかし、今ならTwitterやInstagramといった、「いいねの数で評価される」という流れがあります。「嫉妬深い」と言った通り、気にしていないわけがありません。

自分には何もない。なりたい自分にもなれない。

そんな思いがちょうど今、心を満たしているところです。それは長くなりそうなのでまた今度。

そろそろまとめに入ります。

さいごに

少し話も脱線しつつ、今回は村上春樹作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の感想でした。

この本を読み終わった今、現在は『銀の匙』を読んでいます。Twitterにも書いたのですが、だいぶ以前に買っておいた本です。


いいこと書きましたね(笑)。

この『銀の匙』、誰かにオススメされて読んでいるのですが、あんまり気が乗りません。途中で閉じてしまい、浮気するかもしれません。プレゼントは嬉しいですが、タイミングも重要です。

今日はこのへんで。またブログ書きます。

ではでは。

www.masato07.com