3年ブログ

2016年8月に始まり、3年でやめようと思っていたんだけど、書き続けて5年になりました。

【本】ひとりで生きていく術

どうすればこの社会で安らかに生きていられるんだろう……。

そんなテーマについて、まるで公園でお坊さんがお話会をしているような、そんな雰囲気の本を読みました。

 

好き勝手したがる人間たち

ひとりで生きるということ 角川SSC新書

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人はどうしてグループを作りたがるのか。それは、人は一人では生きていけないと知っているからだ、と著者のスリランカ上座部仏教長老アルボムッレ・スマナサーラ氏は言います。

一人では生きていけないけれど、本当は一人で生きていたがるのが私たち人間。

他人に指図されたくないし、ルールに従うのも正直イヤだ。眠いのだから出社せず寝ていたい。着替えるのダルいからパジャマでzoomミーティングに参加したい。けれど、ルールがあるからみなそれに従っています。

グループ(組織)とは、けっきょく仕方なく組んでいる徒党にすぎない。本当は好き放題したい人間たちが渋々集まっているのだから、グループは内側から壊れる運命にあると主張します。それは友達グループでも、会社でも、国どうしのやりとりでも同じでしょうね。

国どうしだって、ある点においては合意できても、政治的経済的な理由で離脱する国も出てきます。たがいに「おまえのところはウチにこんなことしてきたな」「あんたのところだってこの前こんなことしてたじゃないか」。

そうやって、仲間内でケンカしちゃうんですね。

 

ひとりで生きていく技術

こんな世の中のなかで穏やかに生きる術はあるのでしょうか。著者はそれはあるといい、それこそ仏教なのだ、と語ります。

仏教とは、慈しみの教え。慈しみとは、他の生命あっての自分であると認識し、他者から奪うのではなく与えて生かすを知ることです。これを知ると、たくさんの人に囲まれながらも己を見失うこと無く、「ひとり」として生きていけると説きます。

その精神を鍛錬する方法として、ヴィパッサナー瞑想が提案されていました。このヴィパッサナー瞑想って、なかなかすごいんですね。

この手の話とはまるで縁がなさそうな中学からの友人がいますが、実際にこの瞑想を2年くらい続けているのだと先日聞きました。聞けば、効果がすごいんだそうです。

「仕事でミスしても引きずらなくなった」「集中力が持続するようになった」。文字にするとホントかよって思わなくもないですが……その友人とは付き合いも長いので、その変わりっぷりには驚かざるをえません。

他者に心を刺激されることなく、また自分自身の心の暴走に屈することなく生きていく。その手法を仏教から学ぶというのは、変化の激しい世の中においては”心の拠り所”として機能するのかもしれません。

 

さいごに

なにはともあれこの本、あまり堅苦しくなくてサクッと読める1冊でした。

なかでも国連の話が面白かったかな。5つの常任理事国が拒否権を持っているから、あんなの民主主義でもなんでもないだっていう話で。

改めて考えると、この世は「みんな平等」な世界ではないし、むしろ「みんな平等」なんて実際は保てないのかもしれませんね。実際は「私だけが特別」な世界をみんな望んでいるのかな……なんて感じました。

今回の本:ひとりで生きるということ(Amazonリンク)